BRK(2) | Linux Programmer's Manual | BRK(2) |
名前¶
brk, sbrk - データ・セグメントのサイズの変更する
書式¶
#include <unistd.h>
int brk(void *addr);
void *sbrk(intptr_t increment);
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
brk(), sbrk(): _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500
説明¶
brk() と sbrk() は プログラム・ブレーク (program break) の場所を変更する。 プログラム・ブレークはプロセスのデータ・セグメント (data segment) の 末尾を示す (プログラム・ブレークは、初期化されていない データ・セグメントの末尾の直後の場所となる)。 プログラム・ブレークを増やすということは、そのプロセスへの メモリを割り当てる効果があり、 プログラム・ブレークを減らすということは、メモリを解放する ということである。
brk() は、データ・セグメントの末尾を addr で指定した値に設定する。 設定が行われるのは、指定した値が有効で、 システムに十分なメモリがあり、 プロセスのデータサイズの最大値を超えていない場合である (setrlimit(2) を参照)。
sbrk() は、プログラムのデータ空間を increment バイトだけ増やす。 increment を 0 にして sbrk() を呼び出すことで、プログラムの現在のブレーク (break) 場所を知ることができる。
返り値¶
成功した場合、 brk() は 0 を返す。 エラーの場合には、-1 を返し、 errno に ENOMEM を設定する (ただし「LINUX での注意」を参照すること)。
成功した場合、 sbrk() は変更前のプログラム・ブレークを返す (プログラム・ブレークが増やされた場合、この値は 新しく割り当てられたメモリの先頭を指すポインタとなる)。 エラーの場合には、 (void *) -1 を返し、 errno に ENOMEM を設定する。
準拠¶
4.3BSD, SUSv1. SUSv2 では「過去の名残 (LEGACY)」と位置付けられており、 POSIX.1-2001 で削除された。
注意¶
brk() や sbrk() を使用するのは避けること。 malloc(3) メモリ割り当てパッケージの方が、移植性が高く、 使いやすいメモリ割り当て方法を提供している。
いろいろなシステムにおいて、 sbrk() の引き数に様々な型が使われている。 一般的なのは int, ssize_t, ptrdiff_t, intptr_t である。
Linux での注意¶
上で説明した brk() の返り値についての動作は、 Linux の brk() システムコールをラップする glibc の関数によるものである。 (その他の多くの実装でも、 brk() の返り値はこれと同じである。 この返り値は SUSv2 でも規定されている。) しかし、実際の Linux システムコールは、成功した場合、 プログラムの新しいブレークを返す。 失敗した場合、このシステムコールは現在のブレークを返す。 glibc ラッパー関数は同様の働きをし (すなわち、新しいブレークが addr より小さいかどうかをチェックし)、 上で説明した 0 と -1 という返り値を返す。
Linux では sbrk() は brk() システムコールを使うライブラリ関数として実装されており、 以前のブレークの値を返すことができるように内部で調整が行われている。
関連項目¶
2008-06-18 | Linux |